阪神-ロッテ 日本一となり宙を舞うバレンタイン監督=阪神甲子園球場で26日、梅村直承写す
31年ぶりの日本一になり、マウンド上で抱き合って喜ぶロッテの選手=阪神甲子園球場で26日、小関勉写す
プロ野球の日本シリーズは26日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で第4戦を行い、パ・リーグ覇者の千葉ロッテマリーンズが、セ・リーグ優勝の阪神タイガースを3-2で破り、4連勝で31年ぶり3回目(前身の毎日を含む)の日本一に輝いた。開幕戦から引き分けを挟まない4連勝でのシリーズ制覇は、2002年の巨人(対西武)以来で史上5回目。
ロッテはパ・リーグプレーオフ第1、第2ステージを制した勢いを持続し、第3戦まで史上初の3試合連続2けた得点。第4戦も李の先制2ランで主導権を握った。阪神は1985年以来20年ぶり2回目の日本一を目指したが、敵地の千葉マリンスタジアムで開幕2連敗を喫し、本拠地の甲子園に戻っても打線が沈黙。投打ともロッテに完敗した。
最高殊勲選手(MVP)は、シリーズ新記録の8打席連続安打を記録したロッテ・今江敏晃、敢闘選手には阪神・矢野輝弘が選ばれた。【井沢真】
◇日本シリーズ個人表彰選手
【最高殊勲選手】今江敏晃(ロッテ)【敢闘選手】矢野輝弘(阪神)【優秀選手】渡辺俊介、李、サブロー(以上ロッテ)
ロッテが継投で逃げ切り、4連勝で31年ぶりの日本一を決めた。二回、1死からフランコが右越え二塁打で出塁し、2死後、李の右越え2ランで先制。四回は1死二塁で、李が左中間へ適時二塁打を放ち、リードを広げた。藤田、藪田、小林雅の好救援も光った。阪神は六回1死一、二塁から今岡、檜山の連続適時打で1点差に詰め寄ったが、3併殺と拙攻が目立ち、追い上げも届かなかった。
▽ロッテ・バレンタイン監督 素晴らしいですね。一番です。阪神らしい試合をされて苦しんだが、最後は勝ててよかった。春のキャンプの初日からシーズン最後まで戦って、勝つことを夢にみてやって来た。それができてよかった。シリーズには自分たちの全力を尽くすのみと思って臨んだ。選手はシーズン通りに気持ちを前面に出して戦ってくれた。(1年間を振り返って)投手陣は素晴らしい力を常に出してくれた。捕手も相手打者を研究した。今までで最高の投手陣ができた。
▽阪神・岡田監督 結局1回も追い越せんかったからなあ。4試合で計4点やもん。「打つ方が心配や」って言うてたけど、その通りになってしもうた。ロッテは先発にしても後ろにしても投手がいいという印象が強かったね。いい形で終わりたかったんだけど、これでまた一つ目標ができた。
▽ロッテ・今江 (シリーズMVPに)最高の気分。勢いで4連勝した。やっているぼくらは大差でもハラハラしながらやっていた。思い切り楽しんでやろうと思ってシリーズに臨んだ。ベンチの雰囲気はみんな笑顔で、リラックスしていた。
◇「信じられない結果」 圧倒的な試合内容で日本一
この日もロッテの先制から始まった。二回2死二塁でバッターボックスには李。アジアの大砲は1-3からの126キロのスライダーを振り抜き、シリーズ3号となる右越え2ラン。もう後のない阪神からあっさりと先制点を奪った。
流れが阪神に移ってもおかしくない場面もあった。三回は1死から右前打で出塁した西岡が盗塁失敗。三回は守備でもベテラン堀がイレギュラーした赤星の二ゴロを捕球できなかった(記録は失策)。少しだけ漂い始めた嫌なムードは、またも李がひと振りで消し去った。四回1死二塁から適時二塁打。試合の流れを加速させる貴重な追加点だった。
試合前、選手の練習中は寡黙なバレンタイン監督が、珍しくじょう舌になった。「(米大リーグの)ワールドシリーズ王者と戦っても恐れることはない。この選手たちならできる」と話し、自説でもある「日米王者対決」の大会開催を主張。米大リーグ・レンジャース、メッツでの監督経験もあるバレンタイン監督は「日米のレベルは同じところに達したと信じている」と理由を話した。
監督の主張は裏を返せば、「ロッテは世界一にもなれる」ということ。チームの選手さえも「信じられない結果が続いている」(小宮山)と驚く圧倒的な試合内容での日本一。それは世界に通用すると「太鼓判」を押されたつなぐ打線や堅守、投手力が生み出した。【高山純二】
◇悪い流れを断ち切れず 阪神
土俵際に追い詰められた阪神。「もう開き直ってやるしかない」(岡田監督)と臨んだ一戦だったが、悪い流れを断ち切れなかった。
一回無死一、二塁。先制機機が、やって来た。ここで1本出ないのが今シリーズだ。頼りの中軸が3者連続で倒れると、直後の二回に2点を先制される。後がないチームには最悪の展開だった。
ベンチの策も、思い切りを欠いた。四回1死二塁の守り。前の打席で2ランを打っている李を迎えた場面だ。
ウィリアムスを投入する手もあったが、投入したのは能見。能見は要求された内角高めのボールではなく、初球を真ん中に投じ、適時二塁打を浴びた。新人にとって、大舞台の緊迫した場面は、荷は重過ぎなかったか。
この日、阪神ベンチは普段とは違って、「清めの塩」がまかれた。屈辱的な3連敗を振り払らうためなら、何でもするという覚悟の表れでもあっただろう。今シリーズ、第3戦まで適時打ゼロだった打線は、六回にようやく今岡と檜山が適時打を放った。それでも大河のようになったシリーズのうねりを容易に変えることは難しい。20年ぶりの頂点に挑んだ阪神の挑戦は、わずか4試合で終わった。【張智彦】
◇千葉ロッテマリーンズ球団史◇
1949年9月 毎日新聞社が「日本野球連盟」に加入申請
50年1月 毎日オリオンズ結成披露式
10月 初のパ・リーグ優勝
11月 松竹を4勝2敗で降し、初の日本シリーズ優勝
57年11月 毎日・大映が合併し、大毎オリオンズに
60年6月 プロ野球タイ記録の18連勝
10月 2度目のリーグ優勝
64年1月 東京オリオンズに改称
69年1月 ロッテと業務提携。ロッテ・オリオンズに改称
70年10月 3度目のリーグ優勝
73年5月 準フランチャイズ仙台宮城球場で初試合
10月 八木沢が史上13人目の完全試合
74年8月 弘田がプロ野球初のランニング満塁本塁打
10月 4度目のリーグ優勝、2度目の日本シリーズ優勝
77年10月 本拠地を神奈川県(川崎球場)に移転
78年9月 チーム通算2000勝
80年9月 張本が史上3人目の通算500号本塁打
82年10月 落合が史上4人目(5度目)の3冠王
85年7月 有藤がパ・リーグ初の2000本安打
10月 落合が2度目の3冠王(86年も達成)
87年8月 チーム通算2500勝
91年7月 千葉移転を公式表明
11月 新愛称を千葉ロッテマリーンズに決定
93年5月 伊良部が日本新(当時)の球速158キロをマーク
94年11月 ボビー・バレンタイン監督第1次政権発足発表
95年10月 リーグ2位で終了。バレンタイン監督解任
96年8月 チーム通算3000勝
98年7月 プロ野球記録の18連敗
03年11月 バレンタイン監督第2次政権発足発表
04年8月 チーム通算3500勝
05年6月 交流戦初代王者
10月 5度目のリーグ優勝、3度目の日本シリーズ優勝
◇4連勝でシリーズ優勝した球団◇
1957 西 鉄(対巨人)
59 南 海(対巨人)
60 大 洋(対大毎)
75 阪 急(対広島)
90 西 武(対巨人)
2002 巨 人(対西武)
05 ロッテ(対阪神)
(西鉄、阪急は引き分けを
含む)