林檎うどん
女房と娘が旅行に出て3日目である。
私の連休の2日目でもあるのだが、いよいよ食べるものに窮してきた。
私は十数年前に特製のカレーを作って以来、料理なるものをやったことがない。
目玉焼きまでは多分大丈夫であろうが、ご飯も味噌汁も作る自信がない。
空腹を我慢してゲームをしていると仲間のムタ君が「林檎うどん」を提案した。
彼は讃岐うどんの本場香川県の人で、うどんに関しては一家言をもっている。
気持ちは動いたが、あのウドンのヌメッとした食感と林檎のしゃくしゃく感とでは
あまりに異質であるように思われた。聞くと彼自身も作ったことはないという。
しかし、これは別の友人wadda君が嘗て製作した「みかんラーメン」と双璧をなすもの
で、無謀と捨てさるにはあまりに惜しいテーマである。
逡巡しながら別のテーブルでその話しをすると、康利氏から「それなら焼き林檎に
してはどうであろう。」と真に適切なアドヴァイスを頂戴した。
まずは買出しにでかけた。
林檎は失敗に備えて3個購入した。うどんは茹でたものであるから、いかに私でも
失敗するとは思えない。1個にした。あとはネギとうどんつゆである。
せっかく買出しにいったのなら、そういう怪しげなものを買わなくても、いくらでもおい
しそうなものがあっただろう等と言ってはいけない。
今日の昼食は「林檎うどん」と既に決定されているのである。
空腹こそは最高の調味料というではないか。食えないはずはない。
さて、まずは林檎を焼かなければならない。アルミホールを被せて蒸し焼きにすれば
よろしかろう。アルミホイールが発見できなかった。しからばラップを被せてレンジで焼
いてやろうと思ったが、今度はラップが発見できなかった。
止むを得ない。ガスレンジの魚焼きでもなんとかなるだろう。高さがはいらないので、皮
を剥いて8切りにしよう。まな板はどこだ?包丁はどこだ?
女房はいつも、これらの品々を手品のようにどこからか出してくるのだが・・・
約1時間に及ぶ悪戦苦闘の末、完成したのが写真の「林檎うどん」である。
林檎を焼いた焦げ目が渋い。色目が乏しい分はネギの緑が補っている。
お酒は私がこの春に漬けておいた「山桃酒」である。
え?味はどうだったかとお尋ねですか?
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例えば、貴方の家の飼い猫が、ある日突然人語をしゃべりだしたとします。その
しゃべっている内容がおもしろかったかどうかを問題にすべきではありません。
しゃべったという事実だけで十分驚愕に値することだと思うのです。
つまりは、まぁ、そういう味です。

2006年9月17日 BINBOU謹製 「林檎うどん」 &山桃酒