どこか見知らぬ街にいるんだよ。
街全体が小高い丘になっているから、
道路も狭くて坂が多くて、アップダウンも激しくて、
一方通行ばっかり。
その街にバイクで行った。
待ち合わせがその街だった。
電話がかかってくる。
「今どこ?」
「半田長崎ちう交差点にいるんやけど、迷ってしもたぁ~」
どうもその交差点はそう遠くはなさそうなのだが、
なにせ一方通行ばかりなので、なかなか近づけないようなのだ。
「ちょと待って!あたしそのへんまで歩いて行くから!」
電話を切って、走り出す。
行きたい方向に行く手をはばむ、踏み切りのない線路。
近くにいる人に聞いてみた。
「それなら孔雀電車の駅まで行って、すぐ脇のトンネル入ったら
抜けられるわ」
孔雀電車?なんだそりゃ?
この線路を孔雀電車とやらが走るんだな?
線路沿いに走る。
線路沿いといっても、住宅が密集したなかを走る線路なので、
家に邪魔されて、ぴったり線路脇を通れるわけではないのだが、
見失わないように注意しながら、ようやく駅にたどり着く。
小さな駅があった。
しかも終点駅なのか始発駅なのか、
線路はここで折り返している。
やけにレールの幅が狭い。レールそのものも細い。
するとそこへガタゴトと電車がやってきた。
遠くにいる普通の電車かと思ったら、
近くにいる小さな電車だったので、
あっという間に自分の目の前に来ていたので驚く。
車両はちょうと、リンゴの木箱くらいの大きさで、
中に孔雀が入っている。
えぇ、生きてる孔雀。
一箱に一羽ずつ・・・・・・・・・。
目が点だ。
孔雀電車は私の目の前で数秒停車したかと思ったら、
すぐに折り返し出発してしまった。
・・・・なんなんだ、それ。
電車の去る方向を見つめていたら、駅の裏手にある土手の一部が、
トンネルになっていたので行ってみる。
トンネルの先はまた、坂道ばかりの同じ景色。
ついに半田長崎の交差点を見つける。
横断歩道を走って渡ってくる、よく知る人が・・・・・。
「見つけた!!!!」
と思って名前を呼びながら駆け寄っていったら、
その人は私のことは無視してどこかのお店の広い駐車場に入っていって、
そこにあった水道の蛇口をひねり、ホースで頭から水をかぶっている。
暑かったのか・・・・。
その背中に飛びつく私。
なのに、振り返りもしなければ、口もきいてくれない。
なんだよそれ。
どんな暗示だ・・・・・。
出演者:岸本
KOZOUさん
孔雀 たくさん
街の住人
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