今月から、週1回 結核病院の診療をお手伝いしています。
午後は暇だったので、今後予想される耐性結核の治療を調べてまとめました。
キノロンが耐性TBの治療にはかなりのキーDRUGです。
プライマリーケアでの安易なクラビット使用は是非辞めて、感染症専門家に相談してほしいものです。
安易に下痢にキノロン禁、咽頭炎にキノロン禁、尿路感染に何もためらわず、市中肺炎になにもためらわずキノロン禁、点滴抗菌薬からの切り替えに何も考えずキノロン禁、免疫不全者だからということを免罪符に、安易に予防でキノロン禁です。
Q.薬剤耐性結核とは?
INH,RFP,EB,PZAのうち1剤に耐性がある場合
Q.多剤耐性結核とは?(MDR-TB)
INH,RFPに耐性の場合
Q.超耐性結核とは?(XDR-TB)
INH,RFPに加えて、キノロンかつアミノグリコシド(アミカシン、カナマイシン、カプレオマイシンいずれか1剤に耐性)の場合
Q.耐性結核はどのような場合に疑うか?
DOTsをしていない治療歴、HIV患者で、治療中止が頻回の再発、薬剤耐性の多い地域の出身、薬剤耐性TB患者との接触、きちんと服用しているにも拘らず標準治療に奏功しない場合など
Q.耐性結核を疑う場合に耐性検査はどうするか?
1次TB薬に加えて、2次TB薬の感受性を追加する。
Q.INH耐性の場合はどう治療するか
RFP+EB+PZAで6~9か月治療する。成功率95%。
INHが低濃度で感受性、高濃度耐性の場合は、加えたままでも良い。
LVFXを追加する専門家もいるが、根拠は乏しい。加えるならHIV患者や排菌が多いケースか。
Q.RFP耐性の場合はどう治療するか?
INH+PZA+EBで12か月~18か月、INH+PZA+SMで9から12か月治療。95%成功。
RFP耐性の場合、75%はリファブジン耐性である。リファブジン感受性の場合も、本当に使えるという臨床データ乏しく薦められない。専門家によってはLVFXをかませるものもいる。
Q.PZA耐性の場合
INH+RFPで9か月治療。96%治癒。
Q.EBやSMに耐性の場合。
INH+RFP+PZA2か月の後、INH+RFP4ヵ月でよい。97%治癒。
Q.MDR-TBを疑うときの、経験的治療は?
標準治療に加えて、蔓延している、予想される耐性株が少なくとも4剤に有効なように薬剤を加える。感受性がわかるまで、6剤以上の薬剤併用になる。感受性がわかったら、耐性の薬剤を中止し、少なくとも2剤以上の感受性のある薬剤を加える。
INH、RFPが耐性の場合は、SM、AMKなどアミノグリコシドとLVFXかモキシのようなキノロンを併用する。さらに感受性のある2次結核薬2剤を追加する。アミノグリコシドを6か月は使用し、18-24か月治療する。成功率85%。
以下、代表的な2次TB薬
エチオナミド INHと同じような構造。INHと交差耐性あり。肝障害、MDR-TB治療効果低い?
PAS 古いTB薬。葉酸代謝を拮抗して効果。吐き気など消化器症状が問題。
サイクロセリン 精神障害が問題。ビタミンB1服用で、精神障害の副作用低下。
リネゾリド まだ臨床データ乏しく、コスト、PLT低下の問題あり。
Q.手術は必要か?
1次結核薬にすべて耐性の場合は、予後が悪く、外科切除が妥当。限局していればよい適応。完全に切除できても感受性のある薬剤で18か月は治療